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>>しかし、W 杯の試合などを観戦していると、時としてフェアとは言いがたい審判の判定に戸惑うこともあります。そんな時、実況アナとしてはどんなふるまいをされるのですか?
じつは、ホームチームにもアウェーのチームにも等しく公平なジャッジを求める日本の常識は、世界の中では特殊なんですね。僕も長い経験でそれが分かっていますから、例えば、日本代表がアウェーの試合で先に得点を上げると、その瞬間からすごく恐くなります。つぎは日本代表の誰がいつ退場させられるのか、誰がPKを取られるのか。日本がリードした瞬間からずっとそのことを考えつづけています。すると予想どおり、ある選手に2枚目のイエローカードが出て退場になったりする。でも我々はその場面で「やはり出ました」とは言わないんですね。「うわーっ」と動揺ぎみに声を上げながら、じつは冷静に事の成り行きを見守っているんです(笑)。
特にW杯では、大会を成功に導くうえで、開催国のチームを盛り上げることも非常に大切ですから、それゆえレフェリーもそちら寄りになる。このあたりを理解しようとせずに、放送席でやたらと審判批判を繰り広げてもあまり意味がありません。次回のW杯を観戦するときは、そういう事情があることを踏まえて見ていただくと、また別の角度からも楽しめると思います。
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